ダブルピース日記~推しに健やかであってほしい~

脳直で物を言う地方在住の半茶の間。2018年は遠征できないので何も口を出す権利がありません

「”実写版”東京喰種」はいいぞ【いろんなネタバレがある】

■数か月前にコメントを下さった方、つい先ほどコメントを頂いていた事に気付きました。まだお読みになられているかは分かりませんがお返事をさせて頂きました。ありがとうございます!

 

昨今、漫画の舞台化、実写映画化が相次ぎ

いろんな声が挙がっている。

私も深い傷を負っているのでよくわかる。

テラフォーマーズ」「進撃の巨人」「黒執事」、どれも大好きな漫画で、どれも内容もキャラも設定も改変(改悪だよもう)されてタイトルを借りた別物にされた。

進撃の巨人、ミカサの生い立ちとして「アジア血統はレアなので売買目的で売られそうになった上にそれついでに家族も殺された」から生まれるエレンとの絆、っていうのがあったんですけど、映画版は登場人物がほぼ日本人になっちゃった。

黒執事なんかはセバスチャンは清潔感の欠片もないパーマ男になってるし、気高いぼっちゃんはなんか性別変わってるしそもそも現代になってた。

黒執事は先にあのタネも仕掛けもないのに「黒執事」として成立している舞台版を見ているので、比較するのも申し訳ない位だ。

テラフォーマーズの話はやめとこう。多分アレ監督もキレてそう。

 

そして今夏、実写映画が公開された「東京喰種」、ヤングジャンプ連載の漫画。

「気になるな…」ってなってたら友人が全部プレゼントしてくれてから沼にすっころんだ作品です。

私の好きなキャラは「亜門鋼太郎」、主人公と敵対し、主人公サイドと敵対する喰種討伐組織のエリート。かっこいい。でもかわいい。

私はこの亜門鋼太郎が本紙(「Re:」ではない東京喰種の連載当時)で生死不明、下手すると死亡、ってなった時にマジで一週間くらい具合を悪くした。

実写化するというので傷を抱えながらも「見ずに批判はするまい」と色々と見てみたら、舞台版の君沢さんよりも幼い亜門が居た…

(幼いっていうのは、実写の内容が多分1~2巻なので問題ないです。)

期待しては駄目だと思いながらも期待しつつ、友人とギャースカ言いながら見に行く約束をして、観に行きました。

原作読みこんでてもひっかかる所がみつからなくて、観に行った。

通常上映と、4DX。

二日連続で。

*

「実写化」だ…

すごい…

窪田さんのカネキどうかな、って思ったんですけど、幼さは薄いにしてもカネキの世界から一歩退いてるような、良くも悪くも自分の世界を持ってるようなところとか、

ヒデの「ヒデだ…」としか言いようがない振る舞いとか、

「なるほど、カネキが惚れる女性の”リゼ”はこうだな、わかる」とか、

解釈違いがなくて…

色彩設計が原作に沿ってるのかな、「原作そのまんまだ!」という訳ではないんですけど、「実写化」と名乗られても異論が出てこないです。

 

大泉洋が最高に大泉洋で、草原で発見されていた野性のオオイズミと同一人物だとは…

観たらわかるんですけど、ヒナミの後ろに、至近距離に居る時の、その後の「おかあさんだよ」のシーンは三枚目の雰囲気なんてどこにもないです。

どこにもないけどアレが人間だと思うと怖すぎて逆に笑えて来た…こわ…

喰種よりも化け物じみてる…

 

あと「赫子」がすっごい気持ち悪い。あれはなんなんだろう、グロともなんとも言えない、生理的嫌悪が出てくる動き

ニシキの「尾赫」は本当に尻尾で、ジュラシックパークの時の恐竜の尻尾ビンタみたいに闘います。

カネキの赫子は多分映像中で段々と形成されてる(記憶違いだったらごめん)と思うんだけど、蛇が鎌首を持ちあげた様に動き出しては尖った刃物観たいに突き刺さってくのがこわい。

自由自在に柔軟に動くのに、刺さるとこわい。

パンフレットは戦闘部分のVFXの解説とか撮影日誌も掲載されているので、720円でこれはやっすい…映画のムック本もあるみたいなのでそっちも買う…

色々と言いたいのは亜門のシーン!!!

この映画本当に、やっちまったな実写映画にありがちな「オリジナルキャラ」「オリジナルシナリオ」が無いんですけど、もちろん映像にする上での追加カットとかはあるわけで…

そこが…アワワ…

亜門のトレーニングシーンなんですけど…

色々とあった後に本格的に討伐に乗り出す討伐サイドと、弱いままでは居たくない、覚悟を決めたカネキのそれぞれのトレーニングシーンが交互に映像で流れて…

討伐サイドのトレーニングシーンというとここはやはり亜門の出番なわけで…

トレーニングウェアの亜門が…汗を散らしながら自分のクインケ(討伐サイドの武器の総称)を操るための鍛錬をしてるわけですよ…

亜門を演じる役者さんが本当に亜門で…

わかってほしい…今語彙力が完全に消えてるんだけど…

私にとってこの亜門は本当に亜門…

自分の好きなキャラを実写版でこんなにもそのキャラとして成立させて貰えて、本当に嬉しい…

サービスシーンですよここ!!!

鍛錬を積んで力をつけて行くカネキも見どころなんですけど、亜門が…亜門が…亜門だ…

EXILE組織所属の方らしいですがその名に恥じぬ肉体美、ずっしりとしたものではなく、「なるほどあの動きできるわ」ってボディバランスで、元々のファンの方に向けてのサービスシーンとしても、いわゆる「化け物」である喰種になぜ人間の亜門があそこまで戦闘において抵抗できるのか、という説得力を持たせるシーンでもあって…

感謝しかない…(合掌)

 

そう、亜門はすごいんだぞ。

カネキが化け物の中の人間であるなら、亜門は人間の中の化け物に位置してもいいくらい強い。

戦闘シーンでメッタクソにボッコボコにされてなんで生きてるのかわからない位負傷してる筈なのに、自力で立って上司の所に行くバイタリティ…

亜門…

私の亜門における「解釈」っていうのは、映画の内容が1~2?とにかくヒナミちゃん関連とカネキの変質のくだりで、亜門はまだ葛藤や疑問というものを後半ほど抱えていなくて、盲信とも思えるような正義のもとで動いている時期なので人間味というか、融通がきかない所が丸出しでいいんです

亜門に人間っぽさというか、漫画でいうコメディ描写がでてくるのはここから後の話なので、あれでいいんです

あとまだクインケが「ドウジマ」時代で、まあトーカの飛ばした赫子の破片を両手で掴んで止めるっていう芸当ができるとんでもない人類ではあるんですけど、

「アラタ」と「ドウジマ(改)」着用の頃ではないのであのスラーーーっとした亜門がイメージにぴったりでした…衣装デザインもすごい。っていうかあの丈のコートを着こなせるのが意味分かんない。どんなプロポーションよ。

(「アラタ」というのは全身を強固に護る代わりにめっちゃ負担の大きい鎧のような形状のクインケで、ベルセルクの狂戦士の鎧のようなものだと思ってもらえれば大丈夫です)

 

何を言ってるのかわからなくなってきた…

とにかくどの人物も「実写にしたらこうなるのか」という感想が自然と出てくる…

無理が無い…でも作品を成立させるために捻じ曲げられてもいない…

ありがとう…

わかるか…この…一番単純だけどなかなか成されなかった、

好きな漫画の「実写化」…

タイトルを借りた別物ではない、「実写版」としてナンバリングされても不満が出ない…この感じ…

好きなキャラをスクリーンの中でも好きなままで居られるこの感じ…

こんなの…こんなののだめカンタービレ以降ほとんど感じた事ない…

ありがとう…

この記事の感想なんか爪の先一片にも満たない事しか言ってないから観てほしい…

あと…ほぼ台詞ないのに画面に居るカヤさんが美しい…

待って…

Winkの首を刎ね…

佐々木希を佇ませ…

なんだこの映画…

 

(でも私の中での「実写っていうか最早本人だよこれ」ってキャストは、「魔猿」でした)

 

*

4DXも観てきた。アレは胃になにも入れない方がいいし、できることならスッピンで、髪の毛を邪魔にならないようにしてから座るといい。

4DX初体験でしたけど、冒頭に流れる4DXの見本映像みたいなやつ以上に激しい動きはなかったのでそこそこ油断して大丈夫です。油断して転げまわって下さい(ケツが浮いた)

雨が降り、まだ肌寒い日中の風が吹き、お母さんの香りがし、血飛沫を浴び、白煙が上がり、首を刎ねられ、腰から赫子がうごめきながら出てきて、車に乗って、川の水面を走って流れてくる冷え切った空気が肌に降りてきて、瞳から零れた涙が落ちてくる。

4DXすげえな…

どの振動も同じ種類の振動なんですけど、映像とハマるとこれがなかなか…

首にチョップきます 

「ギャア!腰から赫子出てる!ゾルゾルしてる!!!こうやって出るの!?」って感覚も味わえる

 

冒頭がカネキが未知と遭遇した時の、死と直面した時の恐怖を反映したかのようにホラー映画っぽいんですけど、そこで「この振動ってどこの振動?画面内にはないけど…」って油断してたらギャーー!!そこかい!!!って振動まで来る。こっわ…

すさまじくビックリする人とかどこかしらの具合が悪い人にはお勧めできませんが、4DXでも面白かったです。

でも結構ドンドコしてくるので内容が入ってこないかもしれないから通常上映で見て興味湧いたら是非、といったところ…

 

PG12らしいけど基準がわかんない

グロというか、死んだ人間を食べるシーンでも別に楽しんで残酷に殺してるわけじゃなくて、食料の確保として殺害して食べてるのでグロくはなかったです。内蔵とか出てないし。

これはもちろん原作を前提にした上で言える事なんですけど、喰種は人間を食べないと生きていけなくて、でもそれが人間にとっては脅威で、でも喰種にも弱者は居て、人間の方がむしろ喰種って存在に対して冷酷で、でもやっぱり人間を殺害するという、人間サイドのタブーを犯して生き伸びている喰種というのは悪で…とバランスが絶妙なのをちゃんと感じとれたので良かったです。

 

感想文中にうまく盛り込めなかったんだけど、

・喰種のほうが人間臭い面があるのわかる

・ヒナミが段々と態度がやわらかくなっていって、なごやかになっているのでその後の落差がとんでもないし、あの絶叫は聞いておくべき

・「なるほどあのおっさんが…」ってなる

・お母さんが美しい。美しいだけじゃない。赫子も実写用に手が入ってるけどそこがまたよかった。

・ハンバーグが美味しそう

・亜門の涙が美しすぎていっそ宝石になってくれと思った。

・亜門の強度がすごい。ヒデはまだ病院で起き上がれてるくらいなのに

・亜門がちょっとデレるところは実写でもやばい

・食いちぎった肉にくっついてきた洋服の破片を吐きだすところもまたよい

蒼井優を贅沢に使う。リゼのスイッチがすごいし、あんなに清潔感があって儚いのにちょっとエッチなお姉さんだ。こりゃあ思春期の文学男子はイチコロだな。

・造形の美しい男がゲロとか血とかをガンガンに口から出すし戦闘中もちょっとフェティッシュな感じ溢れ出ていた(たまらん)大スクリーンでウェット&メッシーだぜ。

 

「もう一匹小さいのがいるかもな(要訳)」の発言があった上で、ちゃんと本編中に真戸さんの配偶者の存在が出ていたのと、リゼに浸食されてるシーンでムカデっぽいシルエットが出てたので続編こないかな、と期待しています。

 

レイトショーで観たので1300円、4DXで2800円、

気になる映画はあっても、

「これ本当にわざわざ出かけてまで映画館で1800円支払って見る必要あるのかな」と思う事が多くなり映画館から足が遠のいていましたが、

久しぶりに劇場で観た映画がこれで本当に良かった。

 

原作を読んでいる人にもお勧めします。向き不向きは勿論あるけど、お勧めします。

原作を読んでいない人は、あらすじさえ押さえておいたら大丈夫だと思います。

本当に原作漫画に沿って作ってあるので、漫画にあるような説明文用の死角いワクこそないものの、難しい用語もないですしそれぞれの陣営が動く空間もある程度固定されてるのでシーンや時系列の混乱も無く観れると思います。

 

続編、ないかなあ。

実写映画になった部分以降もカネキの能力も精神もどんどん成長して変質していくし、

亜門はユーモア(!?)を覚えて護る物も増えて、大事な物も増えて、クインケも持ち変えるし、それこそアラタ着用まで観たい気もする。

「”実写化”が観たいんだけど、それって贅沢なのかな」って実写映画というコンテンツ自体を諦め始めていたので、滅茶苦茶救われました。

とにかく見てくれ、東京喰種。

 

*

鋼の錬金術師」がどこそこで物議を醸してるみたいですけど、私は今のところビジュアル(エドが七三分けなのはよくわからんけど)にも、アルの質感や動作にも、最近の需要に乗った割にはいけるキャスト陣にも、あんまり不安は感じてません。

そもそもハガレン自体が本編とはまた別に短話のノベライズ・ゲーム・アニオリEDとかやってきてるので、話を本編に沿わせ無くても劇場版は劇場版でやってくれたらそれはそれでいいし、主要キャラの謎の改変さえなかったら問題ないのでは…

欲を言うならマスタングはミッチーがよかったですけど、国軍大佐のポストにいるディーン・フジオカに惚れるアメストリス女性は普通に多そうなのでオッケーです。

ハガレンも「うおっハガレンだ」ってなるような映画になるといいなあ、楽しみだ。

 

せっかく取った休日が台風で行動不能になり翌日も出勤不能(つまり無給)になり、もう私の夏オワタ…ってなってたので大変満足な休日でした。

これで明日からまた働けます!!!