ダブルピース日記~推しに健やかであってほしい~

脳直で物を言う地方在住の半茶の間。2018年は遠征できないので何も口を出す権利がありません

生まれて初めてスーパーライブに行ってきた話と己について考える

 


今日も脳から直接アウトプットしようと思う。

 

皆さん、「仮面ライダースーパーライブ」というものをご存じだろうか。
私は知っていたような知らなかったような気がします。
結論から言うとすごかったです。実質無料でした。

要するにヒーローショーなんですけど、地元に今放送中のライダーのショーが来るというので
日劇場版を見て平成ライダーへの熱情(パッション)が炭火から爆発に至りそうになり、
この日ならどうにか、と仕事を調整して終日休みにしてチケットを取った。
「まあ子供のための興行だから満席になりそうだったらやめよう」とか思ってたのに、
開催数日前になってもS席が買えたので買ってしまった。3000円プラス発券手数料。
二度見した。

一回八千円くらいの演劇チケットならもうノールックで買ってしまうものの、
いざ手元に来た額面を見たら「!?やす」となってしまった。
それもそうだ、これは子供のための興行、当然保護者もいる。じゃあ安価(比較的)なのはおかしくない。やす…


どんなもんだろうかとジャスコでのヒーローショーでしか経験がないなりにそわそわしながら当日を迎えた。

 

現在では記憶がおぼろげな部分も多い物の、私は女児向けとされた作品よりも平成ライダー前半で育った。
無常や理不尽や孤独、優しさや強さ、そして人は案外急に死ぬし敵にも敵なりの正義と信念があると学んできた。
クウガから見ていた。そして物心ついて記憶にはっきりと残っているのが龍騎だ。


ご存じ龍騎、劇場版など新しい試みととにかく多いライダーでご存じの方も多いのではないだろうか。
私の赤青キャラ推しはここから始まっているのではと思うほど深く食い込んでいるし話が重い。
今見直してみても思い。重いしきっちり死ぬし戦いは終わらない。助けてくれ。
逆に平成ライダー後半は仕事を始めてから視聴から離れてしまったためあまり存じ上げていない。
とにかくジオウの履修をあれから50%まで上げたのでいささかの不安と以前よりもある自信をもっていくしかない。

 

幸いにも台風はまだひどくなる前で会場最寄りからテクテクと徒歩で向かった。
商業施設が並ぶ地域だが、会場に近づくにつれてちびっこ濃度が高くなる。
なんなら前を歩く子供は全身をライダーファッションで固めているし、さっき横断歩道で合流してきた子供はライダーキックの最中に完全に空中に静止する練習に余念がない。
そういったこどもは増えていく。どんどん合流して、会場入り口で山となった。
オープン15分前ではあるもののすでに長蛇の列だ。「こどものための催事だしな…」と物販もそこそこに見ていたので、正直油断していた。
入場後に物販があるため物販目当てか、単純に子供連れだから早めの行動を心掛けたのだろう。とにかく長蛇も長蛇だ。びびる。

会場内の地上と地下とをとぐろを巻くように作られた列に並び入場を待つ。ちなみにこの後物販列が再成形されたが、これもすごかった。


子供はノンストップだ。空腹やトイレも訴えるし、踊るし歌うし、常にどこかしらで誰かが変身している。
子供向けジャンルに足をつっこむとわかると思うが、子供というのは親がいかに見ていようが抑えようとしようが制御などできない。お疲れ様ですほんと…

 

あと「おれは男だから女子のトイレにはいかない」と足を猛烈にクロスさせながら抵抗する男児に対し、「俺は漏れそうだから女子トイレに行くぜ」と言い切った君、かっこよかったよ。

なんやかんやあって「これが買えればいいかあ」と思っていた平成の1号ライダー集合絵のタオルを購入し、座席へ。S席なかごろの通路でした。
身軽な子供に対して子供の荷物も物販も持たなければならない保護者の悲哀がよく見えて本当に大変だなとしか言いようがない。

詳細なストーリーはあんまり書かないでね、みたいな事が公式に書いてあった気もするのであまり書かないが、
ステージは二段、スクリーンが設置され、レーザーとスモークの設置など標準的なライブ設備の簡易版のような感じだ。

 

開始したらもう、すごかった。
「司会のお姉さん」を久々に見た。

お子様へのお願いはよく聞きやすい通る綺麗な声で、保護者へのお願いはトーンを落としてマジに、プロってすごい。
しっかりと物販の告知もして、お姉さんは去ってゆく。そして本編が始まる。
舞台は黙って静かにじっとして、が基本だが、これは違う。全編応援上映。応援はライダーの力になるから、いつでも「がんばれ!!!!」と言ってOKだ。


そして私は開始数秒で白目を剥くこととなった。
前述の通り、「とれなかったらあきらめよう」くらいの期待値だったので公式サイトも日時と物販、興行についての諸注意くらいしか見ていなかった。
推しライダーが普通に出てきて奇声を上げる所だった。これについては後で書く。

 

セリフの言い回しやストーリーは「テレビえほん」くらいの簡単なものだが、内容がないわけではない。普通におもしろい。なんだこれ。
あと敵サイドの造形がやたらいい。あの敵はイベント限定エネミーなのだろうか?ボスがすごくかっこいい。
敵の幹部のキャラ構成も敵たるパターン構成の基本に忠実なものではあるものの、それだからこそできる運び方もあり完全に油断していた私は一気に心がキッズになってしまった。
ソフトなアクションが続いたと思ったら2m下に落下→立て直しをして見せてくれたり、普通に「おおっ」となる動きも見せてくれる。
会場の大人の「おお…」という低い声が何度も上がる。

演出は特効がない分シンプルの極みに見えるが、
変身や転換のすべてが人力でありながらも熟練の手品のように綺麗に決まる。

本当にライダーが消えたり、出てきたり、フォームチェンジしたりするのだ。

その上にある平成ライダー前半のファンにも優しい(厳しいんだけどさ)展開に心臓が捻転しそうだった。


そしていいところで休憩タイムに入る。二時間程度の上演だった気がするが、子供の忍耐力と膀胱は待ってくれない。
私の衝動も待ってくれない。私は物販に走る。LinkedHorizonの時に来たことがあるので最短距離を競歩で移動した。
「ペンライトをください…」と言った瀕死の私にも物販のお姉さんは優しい。”仕事ですので”というワードのありがたみを感じる。
物販はまたも長蛇の列だ。ライダーと握手ができる権利がついているおたのしみセットのせいらしい。
ちなみにこの握手会の権利が入手できるセットは休憩後には完売していた。「こどもが優先」と思って買わなかったのは正解だった。

 

着席し、点灯確認をし、しばしのイベントタイムとお姉さんのアナウンスの後に後半は開始された。
嵐のような時間だった。お、おもしれ~~!!!
あとこのペンライトすげ~~~!!!なんでつけっぱなし推奨なのかと思ったらこれ、制御入ってるすげ~~~~~!!!!!
ガンバレー!!!ガンバレー!!!!とひっきりなしに聞こえる会場でライダーは最終決戦を迎える。
テレビ放送なら折り返し地点くらいにあるであろう定期敗北もはさみつつ、序盤は雑談も多かった客席が応援する声だけになっていく。


こんなにピュアな空間があるのかよと泣きそうになったところで別の理由で泣きそうになった。
自分が居る座席から見える位置に、推しライダーがいるのだ。後方10席ほど挟んではいるものの、そこに「いる」のだ。
ギエッ!!!!!!!!
前を見たらいいのか、後ろを見たらいいのか、体をひねってテニスの審判に転職するレベルで左右を見た。


舞台では決着がついた。それはしっかり見た。そして振り向いたらもう、推しはいなかった。夢だったのだろうか。

そして私は、午後の部のチケットを買った。奇跡的に同じ縦列の後方が残っていて、イチかバチかだとそこを買った。
午後の部、その席はドンピシャだった。申し訳ないが、午後の部は現行ライダーよりも彼に注目した。
ほとんど真後ろに立った推しライダーはボロボロだった。あちこちが割れ、剥がれ、傷だらけだった。
ここで「うえっ」とでもなれば私もいっぱしの大人だったのだろうが、もうなんか変なスイッチが入ってしまったので
「あれからずっと戦い続けてきたんだな…!!!!」「私の知らない戦いがあったんだ」「戦いはまだ終わっていないんだ」と勝手に感極まっていた。

 

推しライダーは公式ホームページでは「このほかにも ライダーがでてくるぞ」的にまとめられているので名言を頑張って避けてきたが、
電話を掛けてエンディングを選ぶタイプのライダーだ。そりゃ涙も出るわ。まだ戦ってるんだもん(?)
とりあえず正気の状態でボロボロになってるんだもん。そりゃ現実といろんな物を混同して泣くわ。

ショーは終わり、ペンライトを握りしめてライダーたちを見送った。
お姉さんが握手会のお知らせと誘導をしている。子供たちの元気な返事が「俺はライダーと握手をする」という意気込みを感じられていい。


私も返事をした。手元には握手会セットがあった。もう子供のためにとか言ってらんねえ。俺は概念ライダーと握手をするんだ。

 

 

■そして握手会へ
「前に並んでいる家族の連れのフリをするしかないのか…」と思っていたが、私の中のソフビ抱きしめおじさん(前の記事参照)がビンタしてきた。
何も恥ずかしいことではない。一生に一度、会うか会わないかの観客に何を遠慮する事があるのか。堂々と行け。
私の中のソフビ抱きしめおじさんは今日はゼロノスではなく、マント付きの方の仮面ライダー騎士を抱きしめていた。限定だったので持ってないやつだ。

堂々と並び、三次元推しに接する時と同じように手のアクセサリーをキャストオフし、荷物の上げ下ろしで鍛えた腕に握手会セットの袋をひっかけた。

 

ら、らいだーだ!!!!

スタッフさんたちが速度が遅すぎも早すぎもしないように適度に調整している。握手というよりも掌の握り合いだった。
分厚いはずのヒーロースーツは熱かった。中にはしっかりと人間の手があった。

もう蒸気がすごかった。割れたところから汗が出る出る。汗飛んでくる飛んでくる。

前のお母さんが退場後に「汗…すごかったね…大変だよあれは…」と言っていた。

すごかった。
仮面ライダーなどの等身大ありのヒーローもののいいところはここだ。

ふわふわのマスコットキャラは中に人間の手があると子供の夢を壊しかねない。
しかし彼らは生身の人間であるという前提があるため、ガッチリと握手ができる。


わーうれしい!ではなくもう、そぉい!そぉい!という勢いで手を握ってきた。
順に、若手俳優のイベントのように、懇親会のように、業務締結した先のように、ただのファンのように、そして最後、仮面ライダー1号には
かつての幕末Rockのリリイベの時の山岸さんの時の勢いで握手をしたら1号も ガッチィィイイ!!!!と握ってきたので笑顔になってしまった。
大人なのでスマートに退場した。

興奮でホッカホカになったので台風由来の雨にでも打たれてやるかと思ったら、一滴も降ってなかった。

ああ…いい…日だ…(グッズが濡れなくてよかった)

 

------------------------------ここからは考えた事とそのメモです----------------

 

 


■メモ
ここから先は思ったことを書こうと思う。ツイッターの焼き直しもある。

・時間が早い
観劇畑に片足を突っ込んでいたので、「マチソワ」ではなく「午前午後」である事に動揺した。
子供の活動時間に合わせての上演なので、午前は上演開始が10:30、昼が13:30?それくらいだった。
起きられるかどうか不安だったのでハッカドールと端末の時計機能と二重に掛けて家を飛び出したら、
現地で元気よくはしゃいでいたちびっこは車で一時間以上かけて私より一時間早く現場入りしていたらしい。強い。
(私の到着が遅かったことと、会場には待機場所がありそもそもがホールなので駐車場も広場もある。待機は問題ない)

 

・会場がわかりやすい
複雑な道程がない。検索すればドンピシャで出て、多少の徒歩はあれど最寄りバス停という存在や公共交通機関ほか、
自家用車の駐車スポットもある場所だった。市内にはもう一か所、市街地に興行が出来そうな場所もあるが、予定云々よりも自家用車での不便が多い場所だったように思う。
そこからは離れているが、総合的に見て最適な場所だったと思う。

 

・物販がありえないくらい速い
死を覚悟した。観客のほぼ全員が物販に行くようなものなので、後半はさすがに上演までの購入は無理だったようだが、販売スタッフの移動距離が最短で済むように作られ、
在庫は午前午後できっちりと分けられ(完売商品が復活していた)、複雑な会計もないためとにかく会計が早い。
子供が多少の駄々をこねていたとしても、家族単位で並んでおり実際の購入客数がそれほどでなかったとしても、とにかく捌く速度がすごかった。
その上、午前は確かいっぺんに販売されていた握手会セットが午後には別の列になっていた。そこに保護者は手分けして並ぶわけなので、列はさらに速くなる。
多少の出遅れや幕間ダッシュなどによるタイムロスカットをそれぞれ加味したとしても回転速度が尋常じゃなかった。

 

・ちびっこがとてもいい
自身のライダーベルト装着の上の臨戦態勢で来場する戦士が多かったように思う。いつでも戦える姿勢だ。
握手会セットの中にはお面が入っていた。そしてその2つが合わさり、会場の各所で変身中の戦士たちが出現していた。
ベルトがなんであっても、とりあえずジオウになっている。
この、「俺は強い」「俺は今、風になっている」「俺は王になる」というオーラを出してポーズを取っている子供たちの尊さがわかるか
彼らが未来なんだよぉ…などと喚きそうになる。

ちなみにこのオーラが出ているか否かは顔つきのりりしさで分かる。
この最中の彼らにうかつに話しかけると暴走するか、パーツなしの素体の段階で変身が止まってしまうので気をつけたい。


・ちびっこはすごい
とにかく興味があるものへの興味(?)がすごい。
ちびっこ(保護者あり)と会話をしたが、「ベルト…いいね…」というと静かに変身してくれるちびっこがいた。警戒されて変身されたかと思ったけど違ったらしい。よかった。


ここ三年くらいのライダーの曲がロビーでBGMとして流れると歌う声がそこかしこで聞こえてきていたものの、それだけでなくRXの曲が流れた瞬間に
ちびっこの高い声で「ウェイカッ!!!!!」と聞こえてきた。生まれる前だろ!?!??!?!英才教育をした大人がいるな…?
そして、「龍騎と電王が好きかな」と言うと龍騎は分からなかったらしいが電王について、各種装備パーツには名前があるのだと教えてくれた。
私は好きなだけで詳しい人間ではないので、ちびっこ先輩の知識の深さと広さには頭が下がる。
知識源は「ひみつブック」のようなものと、てれびくんらしい。そりゃ強いわけだ。あと時々Wikipediaらしい。新しい時代の波を感じた。

ちびっこからは「ベルトしないの?」という残酷な一言が出たが、「それは君専用のだけど、私専用のベルトも頑張れば入るかもしれないんだよね」と気丈に振舞った。
某俳優はキッズサイズのベルトが巻けたらしい。私はおそらく無理だ。

ライダーおもちゃ収集の枠を広げたのが最近なのでゼロノスベルトほかの持ち合わせがない。
私は開演までAmazonでウォズのベルトの購入を検討することとなった。

 

・お父さんもいい
大きなお友達が一切いない…」と肩身の狭い思いを一時していたが、これは私の視野が狭かった。
いくら子供のつきそいだとは言え、ただ付き添いで来たお父さんはおそらく、会場限定Tシャツを購入していそいそと着替えて出てきたりはしないのではないか。
そして物販で見た一幕で、「そんなに買ってどうするの派の母」VS「俺はライダーが好きでたまらない、頼むから買ってくれ派の子」という戦いがあった。
そしてそこに参入したレフェリーが「自分の財布から諭吉を取り出したお父さん」だ。

この場合は子供の勝利となる。
確かに、会場限定だと子供側もわかっているグッズを「買ってもらえなかった(子供側の視点)」という無念や恨みが残るかもしれない(そうでもないかもしれない)
この場はこのお父さんの加勢があって丸く収まったようなものではないだろうか。お母さん的には不本意かもしれないが。

べそをかいた痕を残しながらもクッションを抱きかかえて列を離れていった子供のシャキっとした背筋はちょっとおもしろかった。


こどもの我儘をなんでも叶えろという話ではない。
ただこれをいろんな場に応用して考えた場合、その場その場で子供が訴える何かを理解してくれる大人の存在というものは大きいなと思った。

 

・現場の空気感がいい
邪心がどこにもない。ピュアすぎる。オキニとかリアコとかつながりとかファンサとか、
私の目に欲望がねっとりと糸を引いて見えていたそれらが一切ない。深呼吸をすることができて気持ち良かった。
うまく言えないが、私にとって快適な距離感だった。


・「大人」が見れる
大人の定義は曖昧だ。なので、私の直感で話をする。
前述の通り、回転は速いもののえぐい長蛇の列ができている。そこでどう動くかなのだ。
保護者達がが「この列ってまだ続きます?」「開演に間に合いますか?」とスタッフに聞いている。答えは「すみません、今はまだ」「難しいと思います」だ。
天災と同じく、風速次第・風向き次第、客の支払い速度次第、移動速度次第なのだから無理もない。
そこで、「しょうがないね」「もうちょっと待ってられる?」「俺が並んでるから座っておいでよ」と保護者は言っていた。

飛行機やJRが止まれば駅員に問合せではなく文句を言いに食って掛かり、時に理不尽さは暴力に至ってしまう。
前者も後者も私がそういう場面ばかり見ていただけかもしれないし、その人がそういう人なのか、それ以外どうしようもないからそうしただけのたまたまだったのかは分からない。


しかし昨今の厄介な大人ばかりが目に付く身としては、「大人だ」という印象を受けた。
どうにもならない事や、待つしかない事などはある。その時に同じくどうにもできない立場の手近な人間への八つ当たりだけはしないようにしたいと思っていたので、
こういう場面を見ることが出来たのはなんだか勇気づけられた。

 

 

・乱暴なちびっこよ
ライダーや戦隊を見て荒っぽく育つ子供は、それはその子が「正義」を何でもしていい力だとか、だれかを負かせるためだとか、そうしてもいいとか、
単なる暴力での強さだと思ってしまっているのではないだろうか。

力と力でぶつかりあう時もあるだろうが、それはただの暴力ではない。
それは違うのではないだろうかと問いかけたり面と向かい直接教えることができるのは、学校や幼稚園ではなく保護者であると再確認した。

 

いや、なんでもそうだ。結局は、下敷きとなった作品やコンテンツがあろうとも、その、作り物たちが持つ影響力を越える事ができなかった保護者にも問題があるのではないだろうか。
「悪影響だ」とコンテンツを叩く大人に「これは作り物ですか、現実ですか」と指さし確認の上で聞けば大半は「作り物です」と言うでのはないだろうか。
いつだって現実と虚構を区別できていないのが本当は誰なのかを考える必要がある。
そしてそれを考えなかったり、「単なる作り物」を越えられなかったりするのはよほどの場合でもなければ、越えようとしていない、越えられるであろう水準に至るための努力が不足しているにも関わらずそこでやめてしまうただの怠慢の結果だ。


大人たちの本気に、大人の怠慢をなすりつけてつぶそうとはしないで欲しい。

前半は「ライダーごっこ」と称して殴る蹴るなどをしている子供らに言っている。
ただ破壊するだけ、ただ痛めつけるだけ、ただ相手の負けのみを求めるのみならば君は1号ではなく2号以降、もしくは劇場版で出てきて倒される敵ライダーだ。
保護者が止めるか、自分で気付くか、1号ライダーがどうして1号たれるのかがわからなければあのままだろう。

もし気付けなければライダー再履修に加えて団体行動についての確認のために戦隊シリーズの履修が必要になる。
そしてそれでも思いやりややさしさなどが足りなければプリキュアシリーズの履修、そしてアフターケアに題名のない音楽界の履修が必須となる。


■これは予言
余談ですが、午前の部と午後の部の境目の時間で午前の部終わりのおともだちが「あのね!!!ジオウが!!!」と言ってくるのに対して
小さな手でちいさな耳をふさいで「いわないで!!!!!!!!!!!」と言っていた午後の部から参加っぽいちびっこと、
握手会セットの紙袋(総ニチアサ柄)に上着も荷物もなんでもつめこんでまとめようとするお母さんに「やめてよ!!袋もだいじにして!!いれないで!!!」
と抵抗していた子、君たちはたぶん10年後もニチアサ見てると思うよ。

健やかに令和を生きて欲しい。


■「大きなお友達」が未来の大友のためにすべきこと
先日、中古ホビーショップでちびっこと特価ソフビのコーナーでかち合った。
ちびっこが手に取ったのは龍騎ファイズ、私は手をひっこめた。私は自力でどこにでも行けるし、その価格で買わなくてもいいし、インターネットも自分で制限なく使えるからだ。

私は、人がしてくれた事でうれしい事は事前に断られたりしない限りはすることにしている。願わくばちびっこたちにもそうであってほしい。

・たくさんあるなら分けよう
銀テープが降ってきた。午前の部は一本しかとれなかったので早々に拾ったが、午後の部は発射をもう知っていたので運よく一掴み取れた。


私は最初この銀テープというものの価値がわからず、数年前の幕末Rockのライブでも「なんか悔しい気はするけど死にはしないぜ」くらいだったと思う。
でもライブが終わってから人に銀テープを分けてもらって、なんだかうれしくてその日の宿泊先でいかにきれいに持って帰るかの試行錯誤をした記憶がある。

 

ショーで銀テープが降ってきて、斜め前の大友が頭上からひとつかみを回収していった。午後はS席とはいえどA席との境目から何列目かだったので、落下物は少ない。
前の席の子供が足元をキョロキョロとしていて尻がむずむずした。

何かを落としたのかもしれないとも思ったが、そうでもないように見えたので銀テを一本あげた
彼にとっては実は「なんか降ってきた」と目で追ってみただけかもしれないが、自己満足でもいいので渡したかった。
保護者さんからお礼とちびっこからペコリとされたものの、「余計なことをしたかもしれない」と今でもちょっと思う。
変な奴が居たなくらいでさっさと忘れてくれればいいと思う。

私がされてうれしかったことをしたかっただけなのだ。

 

・大きく拍手をしよう
子供のころに大人や大衆から受けた反応や仕打ち、言動はその後の人生や人格形成に深く食い込むと思う。これは持論だ。
ヒーローショーでは舞台に子供たちがあげられる事がある。照れていたり、不安そうだったり、堂々としていたりいろいろだ。
なので、そのいずれであれ、舞台の上で硬直しようが堂々としていようがどうであれ、そこで拍手を求められたら全力で拍手をしてあげてほしい。
ステージの上に上がった段階で勇気がある。おおいに称賛したい。それが無意識に刻まれる”恥”の経験にならないように。

 

・子供の邪魔をしないようにしよう。
簡単な事だ。特撮は大人ももちろん楽しんでいい。子供のものでもあるし、大人のものでもある。
この二つの感覚が同時に存在する事は別におかしい事ではない。だから大人も子供もお互いに奪い合ってはいけないし、第三者も勝手に定義したりしてはいけない。


子供は静かにするべきところでは静かにし、大人は体の小さな子供が不自由なく見れるように前方を譲る、などをするようにしたい。
子供のする事全てを無抵抗に許せというわけではない。

ただ、自分もまた子供のころに誰かに迷惑をかけて育っているはずなのだ。許すことも忘れたくない。

子供との件だけではないが、例えば一部の非常識な層のせいで「撮り鉄(またはカメラマン)はマナーが悪い」と言われて、
マナーを順守している善良な人らが悲しい思いをしている事があるように、「特オタは~」と言われるような事がないようにしたい。


・肯定してあげよう
全てにイエスイエスマンになれというわけではない。ダメな時はダメだ。
しかし、きもちの面をよく見てあげてほしい。


会場にライダーベルトをつけた女の子が居て私は嬉しくなった。
私はもとより自分の事を多くしゃべる人間でもないので、特撮趣味について誰かに強く否定されたことやバカにされた事も少ない。
周囲の人間がそういう反応をしない(もしくは相手に見える所でしない)分別を持っていた事、そもそもオタクが多い事、
そして両親ともに漫画雑誌を定期愛読し、アニメ等にも好意的な人間であるからだと思う。
しかし世間では「男の子」と「女の子」は明確に分けられなければならないという意識がまだ、この西暦2019年においてもまだまだあるらしい。
しかしその子はライダーベルトをつけてわしわしと歩いていた。背景はしらん。でもその存在こそ「祝え」な気がした。
昔バイト中に「男の子だから」と水色のイルカを選ぶように強く言われている子供に「ディケイドはピンクだもんね」と言った記憶がある。(正しくはマゼンタだけど)
否定されそうな子供心を肯定し、見えない味方の存在を知らせる事も大事なのではと思う。やる側の自己満足かもしれないけどね。
女性ライダーは平成初期から出ている。ベルトの装着条件が個人に固定されていなければ、他タイトルにも居たし、鎧武にも居たし
あのようじょ、彼女は色がおしゃれでライダーベルトを巻いたのかもしれないがそれもまたいいだろう。
どんどんやって、わざわざ「特撮女子」などと言う呼ばれ方をされたりせず、ごくあたりまえに好きと言う気持ちがそこにある。それが普通になっていってほしい。


・財布を開こう
過去のグッズ収集などは別として、欲しければ公式から買い物をしよう。
欲しいと思った物を自分ではなく世間の一般常識の範囲内で購入して買い支えるというごく普通の事だ。小さな蝶の羽ばたきかもしれないが、大事な事だ。
でも、ガシャポンで後ろに子供が並んでいたら譲ったりするのも大事だ。
金の出どころの違いなだけで、彼らもまた顧客なのだから…

 

・大人に守ってほしいこと
遠くの座席だったのでただ見ているだけだったが、子供の写真撮影が目立った。
確かに上演中はカメラなどでの撮影はなかったように思う。今回のような興行では上演中以外はOKのようなローカルルールでもあるのかもしれない。
しかし、どこでもそれをやっていいわけではないという事を大人も理解しておかなければならないなと思う。

「自分には仕事があるんだから映画館で携帯の電源を切らなくても仕方がないし、上映中に鳴ってもしょうがない」と言い出す大人を見て育った子供は
同じことをしてしまうのではないだろうか。その確率は高いだろう。

それはたった二時間そこらの間のみしかお願いされていない約束すら守れないという事だ。恥ずかしいと思って欲しい。


子供は案外親を見ている。そして親がルールの基本になったりしている。

相手に取る態度、マナーの守り方、話を聞く態度、身近な手本は誰だろうか。

私から言うような事でもないが、「親」になった以上は是非考えてみて欲しい。

 

「言われてないからOK」ではないのかもしれない。「会場での写真撮影はご遠慮ください」は、上演中に限らないのかもしれないから。
私は大丈夫、と思うほどそうでもなかったりするのだ、これが。


■私の話
仮面ライダーに会った。

ショーのライダーというのは概念だと思う。
これは「トクサツガガガ」のダミアン少年がショッピングモールのヒーローショーに初めて行った回を読んでもらうと分かるが、
現実的に正直なところ、ショーのスーツは余ったりパンパンだったりする。高岩さん専用ではないから…
今回もゲイツはかなりのスレンダーだったし、全体的に細身のアクターさんが多かった。逆に龍騎は重そうだった。
1号とRXはそれほど長身のイメージがなかったためなんとも思わなかったが、子供の目は厳しい。
「なんかちがう」と言う子もいれば、「あれはまさに」という子もいる。そこから先が、概念だと思う。


私はリアタイの時にはグリーンランドは遠く、映画村にあんなものがあるとは知らず、自力行動も出来ず、アシもなく、近隣での催事もなかった。
なので龍騎と画面外で会うのは初めてだった。


スーパーライブで初めて会った龍騎はなんだか重そうで、ハァハァと息をしていて、
下手をすると当時もののスーツはあちこちが割れたり剥げたり、ボロボロだった。
しかしそれでも「りゅ、龍騎だ!!!!」となった。

 

いやマジで龍騎だった。「龍騎のスーツを着た人」っていう発想、帰宅してから出た。
戦いが終わらなかった世界で今日まで戦い続けてきたのか龍騎よ、ボロボロになったな龍騎よ、
私の知らない戦いがあったんだな龍騎よ、もう電話をしなくてもいいのか龍騎よ…
東映さん…過去のライダーのボロボロのスーツを見て涙するオタクがここにいるんですよ…

登場した高岩(さん)ライダーたちがちゃんと高岩(さん)ライクな動きをしていたからかもしれない。
しかし、概念と現物と自分とが適合した瞬間、それは本物になるのだ…
握手したかったなあ…龍騎
たとえこの概念の内に居ても外に居ても、相手の立ち位置を否定しなければなんでもいいと思った。


・過去の自分との対話
あまりおもちゃをほしがったりする子ではなかったそうなので、特撮に限らずアニメもののおもちゃはほとんど持っていない。
確かに絶対に欲しかったとか買ってもらえなかった恨みとかを抱えて生きてきた覚えがない。
しかしどうだろう。働いて小銭を手に入れ始めて、歯止めが利かなくなっていっているのがわかる。
今はもう中古でしかない(公式販売終了)ものも、ニチアサという大規模商業ジャンルのおかげでよっぽどでなければ絶対に手に入らない物が少ないのだ。
ハチャメチャなプレミア価格なら自分の手が及ぶものではないと思えるし、そもそもソフビ収集がメインだ。
廃盤で定価以下の安価なソフビも積もれば山となる。最近、30cmクラスのソフビにも手を出してしまった。たまらん。

物を捨てるごとに身軽になってストレスが軽くなっていくので、洋服や靴、よどみになっていた物を処分している。
しかしどうだろう。オタク方面は買うほどに何かが慰められていく。うれしいのだ。

私は表面に出さなかっただけで、本当はショーに行きたかったりおもちゃがほしかったのかもしれない。
当時の私がどう思っていたかはわからない。今の自分だってわからないのだ。
ただ、今ショーに行くことができたし、おもちゃも買ってるし、まあ、いいかと思った。

ちなみに今日も前述のホビーショップに並んでいた、仮面ライダー騎士のでかいソフビを買った。仕事の昼休みに。
自分が持っている奴と違うと気づいてしまったんだ…マントが布なんだ…
存在はかなり前から知っていたが、実際に買うかどうか悩んだのは三日だった。
部屋が狭くなるが、部屋に物が多いのではなく自分が少ないのではないだろうか?そうだと思う。
いつかは無くなる可能性もある物だけど、今手元にある事を大事にしたい。

 

 

 

*

こんなに長文を書いてしまった。この部分を読んでいる人、よくお付き合いくださいました。
平成ライダーは令和ライダーに引き継がれ、令和キッズは令和ライダーを見て育つ。
しかし令和ライダーに慣れて、大きくなって、過去というものの存在に気づいたら平成ライダーも観てみて欲しいな、と思う。


保護者の皆様、東映の公式配信サービスなら月額なのでレンタルビデオ店に行こうと言われる手間もかさむレンタル料金もございません。
違法視聴ではもちろんございませんので罪に問われる事もなく、お子様に罪を犯させるという保護者最悪の失態を犯すこともございません。


もしお子さまが平成ライダーならびにほか特撮作品にご興味などお持ちのようでしたら、このサービスを是非ご利用いただければと思います。

東映特撮ファンクラブ

http://tokusatsu-fc.jp/

 

ちなみに今紹介したかっただけなので相変わらず広告でもなければ回し者でもございません。

すでに大きなお姉さんお兄さんも、入り口は技術面でもイケメンでも美女でも脚本家でも構いません、定められた正しさも間違いもありませんので是非視聴をご検討ください。
電王も最高なんですが、

 

 

 

 

 

私のおすすめは仮面ライダー龍騎です

 

 

 

 


私も最近知りましたが九月にはネットにて配信されていた仮面ライダージオウ スピンオフ PART2『RIDER TIME 仮面ライダー龍騎』も円盤になりますのでそちらもご検討ください。

何はともあれ、とりあえずベルトを巻けるようにちょっとやせようと思う。

じゃあな!!